2019年8月30日金曜日

PBP2019 : スタートからLOUDEAC(445km)まで

PBP2019ネタ。紀行編です。
1. パリへ移動、車検と受付
2. 初日、スタートまで
3. スタートからLOUDEAC(445km)まで     <<<<< いまこれ
4. 往路LOUDEAC(445km)から復路LOUDEAC(783km)まで
5. LOUDEAC(783km)からFINISH(1219km)まで
6. FINISHから日本まで



スタートからMORTAGNE(118km)まで
17:30、G組のスタートだ。

1グループあたりおおよそ300人との事。スタートゲートでは例の進行役の人が元気よく喋り続けている。すごいな。



スタート直後。前も後ろも人人人。
適度なスペースはあるので緊張感は高くない。ペースもそんなに速くない。

ちなみにコースのそこかしこにこのような看板あり
まずの目的地はBREST。BRESTに向いた矢印を追いかける。

少し走るとすぐに農村エリア。
概ね北海道と同じような景色も、すべてが大きい。特に畑の大きいこと。

フランスの夕暮れは遅く8時半から9時頃。初日の日が落ち始めた。

さて補給時のタイムロスが大きいと言われるPBP。対策として手持ちの補給物資主体で序盤を乗り切り、タイムロスを最小化しようと考えた。その主役がアルファ米。ポイントに到着する1時間前に調理(水入れ)を行い、到着時に食べるという作戦だ。

まずは最初の一個目を110km地点ぐらいで調理開始
1時間ぐらいしたらポイントだろうと思ってたら

最初のポイントMORTAGNE(モルターニュ)に直ぐに到着
110km、 22:17、24.7km/h

モルターニュは118km地点だが、なぜか140km地点と勝手に脳内変換してたようで、到着時間を大幅に勘違い。アルファ米を作り始めて15分ぐらい。当然まだ出来てないw

PBPには到着サインをするPCと、サインの必要ないサービスだけの拠点WP(Welcome Point)がある。ここはWP。

入り口にいたマダム
「ここはサインはいらないよ」と言ってた気がする。フランス語なので真偽不明

内部を探検
到着も早かったせいか全然空いてる。会計待ちの列もなし。

アルファ米も出来てないのでレストランで食事。パスタ的なものを注文

PC食のパスタはのびのびで味も薄いという噂だったけど、普通に美味しく食べれた。特に混んでいることも無く拍子抜けだ。ただ大食漢の胃袋も満たすため、気を抜くと山盛りにされてしまう。十分な量なところでストップコールが必要。



MORTAGNE(118km)からVILLAINES(217km)
30分ほど滞在してMORTAGNEを出発。滞在予定は20分だったものの、到着も30分ほど計画より早かったので、前倒しで進行。

すっかりナイトラン

町と町の間の田舎道は街灯は一切なく、自転車のライトだけが光っている。それでも走っている台数が半端ないために、賑やかでずっと先までテールランプが見える。この区間、新しい舗装なようでとても走りやすい。

ただ頭の中はアルファ米の事でいっぱい。「作ってからかれこれ2時間以上も経ってるけど、どんな状態になってるのだろう。ぐちゃぐちゃになってたりしないだろうか?」なんて、つまらない心配をしている。

途中、教会のようなところがあったので立ち止まる。

気になっていたアルファ米の様子は?
うまし。問題なし。数時間経過しても大丈夫という事を実験できた。

偶然この教会にはトイレもあった。ラッキー。

122kmあたりには早くも私設ポイントあり。いきなり賑わっている。

手作りのPBPオブジェクトを作っておいてある町も多い

そうこうしているうちに2つ目のポイント、VILLAINES(ヴィレンヌ)に到着
217km、 3:17、22.1km/h

ここはPCなのでブルベカードにサインを貰う


VILLAINESは先程と比べるとだいぶ賑わっている
レストランの座席もだいぶ埋まってるし、会計の列もそこそこ

ここでもレストランに並んでしまった。パンを2つほどパクリ。パンはPCでもうまい。食べた後に飲み物も欲しくなったが、また会計に並ばないといけないので、諦めて出発。滞在時間は40分ほど。ちょっとしか休んでないが、やはりPCでの時間ロスは大きい。でもなんというかPCでの滞在ロスもPBPな気がして、これはこれで楽しまなくてはという考えになってきた。



VILLAINES(217km)からFOUGERES(306km)
3:58、VILLAINESを出発。

ちょっと走ると手作りオブジェ発見。日本の国旗も。なんか嬉しい。

VILLAINESを出たときは真っ暗だったが、夜が明け始めた。だいたい7時頃の空。

幸いにも眠くはならなかったが、ちょっと退屈し始めたので、見かけた私設ポイントに立ち寄った。多分沿道の家の人であろう、パンと飲み物を振る舞ってくれる。AJジャージをみて「オー、ジャポン、ジャポン」と言ってくれる。

「まあ、まあ、随分と遠いところから」とフランス語で言われた気がする
私設ポイント、ほんとありがたい。

しばらく淡々と進み、次のポイントFOUGERES(フージェール)に到着
306km、8:27、19.9km/h

ここもPCなのでサインをもらう

FOUGERESは古城もあり、街全体がとてもきれい。PCの装飾もとてもかっこいい。全体的に賑わっているが、早くも横たわる人が出始める。居心地の良さそうな所には所狭しと人が転がっている。

ひと目から隠れれるフェンス裏とかは特等。隙間なし。

ひと目につくような場所でも、絨毯がある場所には人が転がってる

普通にテーブルに突っ伏して寝ている人もいるけど、手足を伸ばせる場所で堂々と寝れる人は強そうだ。そんな自分は弱々ハートなのでテーブルに突っ伏して仮眠。なんだかんだで100分ほど滞在してしまった。まあ計画対比1時間ほど前倒しで進んでいたので、その分を休憩に使った計算になる。



FOUGERES(306km)からTINTENIAC(360km)
10:07、FOUGERESを出発。基本的にPBPのルートは丘の頂上に町がある。なので「町->下り->上り->町」というのの繰り返し。町の中は道もよくとても走りやすい。そしてだいたい町の中心には大きな教会があるのが定番。

町の中は道もスムースで走りやすい

中心部には教会

町と町をつなぐ道は田舎道

前のポイントの仮眠明けにカフェイン錠を摂取。そのおかげで眠くなることは無かったが、逆にテンション上がりすぎて大暴走。エアロバー握ってガシガシ踏んでどんどん先行者をパスしていく。「後からツケが回ってくるな」と思いつつも「走れるときに走っておこうか」という間違えたプラス思考が働く。これは思考はブルベではNG。

そんな勢いで暴走し続け、次のポイントTINTENIAC(タンテニアック)に到着
360km、12:29、23.2km/h

到着サインをもらう

オランジーナで一休み

データを見返してみるとこの区間、軽く下り基調だったようだ。そのせいもあり気持ちよく走れたようだ。しかし終盤でカフェイン効果も切れ、グダグダモード開始。前半のしっぺ返しが始まった気がする。30分程滞在して出発。



TINTENIAC(360km)からQuédillac(386km)
TINTENIACで休憩したものの、眠いし、足は回らないしで、もう大変。次のポイントまで26kmだというのが僅かな希望。

広大でいい感じの雰囲気の丘畑。やはり写真では伝わらない…。

通りかかったフランスの墓地。墓石?の形が文化の違い。
夜になると地面からなにか出てきそう

あまりにも眠かったので、私設ポイントでおしゃべり
といってもフランス語相手なので、身振り手振り。ちょっと眠気が引いた

380km地点あたりの町。教会がなかなか立派。

寝落ちしそうになりながらも次のQuédillac(ケディヤック)に到着
386km、14:20、18.0km/h

ここはWPなのでサインなし。木陰に寝そべり、しばし仮眠。

30分程眠れただろうか。眠気もそうだが、全然足が回らず、前に進めない。TINTENIACまでの道で暴走してしまったツケが回ってきた気がする。




Quédillac(386km)からLOUDEAC(445km)
Quédillacでちょっとだけ寝れたのに、相変わらずのスローモード。全然進めない。LOUDEACまでは基本上り基調なので、その影響もあったのかな。

天気もいいし、出てくる建物はとてもきれいだ

408kmあたりに出てきたこの教会、これだけで観光パンフになりそう

LOUDEACまでが遠く、遠く、そして全然スピードが出ない。止まりそうな勢いだ。周りは普通に走れているようで、いったい何台にパスされたやら。とにかく体が重く、全然前に進めない。どんどんネガティブ思考になっていく。

→ もしかしたらここでリタイヤかもしれない。
→ でもここまでの準備を考えたらもったいないし、4年後にまた来れる保証もない。
→ ので頑張らなくては。
→ でも前に進まない。

というような負思考の無限ループ。いやホント厳しかった。気持ちが前に向いたのはPC設置のため封鎖道路が見え始めた時。想定していたより早くPCが出てきそうになり、一気に元気になった。沿道のひと目も気にせず「ルディアック来たー」と大声で叫んでしまった。いやこの区間が一番厳しかった。

PBPのキーポイント、LOUDEAC(ルディアック)に到着
445km、18:16、18.6km/h

この時間だとLOUDEACも全然空いていた。駐輪場もガラガラ。

ここもPCなのでサインをもらう

スタッフ「おー、ジャポーネー。遠い所から来たねー」(フランス語)
オイラ「いやー、厳しかったよ。リタイヤするかと思ったよ」(日本語)
スタッフ「とりあえず、おつかれ。まずはしっかり休みなよ」(フランス語)

きっとこんな内容だったと思う。スタッフは構わずフランス語で話してくるので何をいってるかわからない。英語で話しても通じないので、こちらも普通に日本語で話すようになっていた。

フランス語と日本語での会話。噛み合ってないのかもしれないけど、お互いはなんとなく通じている気になっている。空気感だけで会話している感じw これもPBPの楽しみかたなのかもしれない。

PBP最大のポイントだけあってギャラリーもいっぱい
お祭りモード全開

LOUDEACといえばDropBag。Goodyさんの一角には大量の青いバッグ。

自分のバッグを引き取り、着替え、シャワーを済ます

スタートして早々に気づいたのだけど、補給でのタイムロスを気にするがあまり、手持ち装備が重くなりすぎていた。水も私設ポイントをあてにすれば予備タンクを持つ必要もないという事に気づいた。という事で装備変更。

2つのサブボトルと、手持ち物資を減らした。これだけで2kgぐらいの軽量化
明日からはだいぶ楽になりそうだ。

仮眠所もまだまだ空いていた。19:00頃には就寝。

スマホに目覚ましをセットし、イヤホンをして就寝。イヤホンは耳栓代わりになるし、目覚ましもしっかり聞こえる。スマホ本体はお腹にセットし、バイブもしっかりわかるように工夫する。

目覚まし通り22:30に起床。仮眠所はだいぶ賑わっており、受付には行列。

DropBagから物資の詰め替えと着替え。

LOUDEACは混むと言われていたが、18時ぐらいの到着だとまだまだ余裕があるようだ。逆に出発しようとしていた23時頃は賑わっていた。賑わっていたとはいえ、それほど待たずにトイレにも入れたし、トイレットペーパーもしっかり完備されていた。いろいろと改善もされたのかな。

さてこれからはBRESTに向けて始動である。最高気温は高くても19℃ぐらいと見込み、冬物のインナーを装備して出発。滞在時間は5時間35分。23:50に出発。

続く

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