このBent Chetler、実は今回で3回目の剥離。剥離が発生するのは、いつも同じ板で1回目はノーズ側の右側、2回目はテール側全面、そして今回の3回目はノーズ側の左側と先端部分。ビン下以外、全面剥がれた事になる。接着が弱い個体だったのかな。
古い板なので無理に延命する事も無いのだけれど、ビンディングを付け替えた後の滑走感がとても良く、捨てるのがもったいない。むしろここまで劣化していると、全く惜しげなく使えるので、最強のパウダー板とも言える。
なので今回も修理。3回目になるので、お手のものである。
直し方は剥離した部分にエポキシ接着剤を流し込み、万力で固定して待つだけ。まあ簡単といえば簡単であるが、そこそこコツが必要。重要なのが接着剤。おすすめはこれ。
2液混合型のエポキシ接着剤で、可使時間(固まり始めるまでの時間)が長いもの。このセメダインの接着剤が使いやすい。隙間に流し込んだり、万力を着けたりアレコレしていると案外時間がかかる。1回目の修理のときには定番の「アラルダイト」を使ったが可使時間が5分だったため、すぐに固まり始め大変だった。
アラルダイトを使うにしても、可使時間が長いタイプがおすすめだ。セメダインの60分型であれば、作業時間も十分あるしお手頃で入手もしやすい。硬化後の強度も全く問題ない。
固まっても弾性があるエポキシ接着剤もあるが、接着力がいまいちらしく、普通に硬くなるタイプのエポキシ接着剤がいいようである。
さて修理開始。
まずはトップシートを圧着させるための万力と当て板を多数用意。
接着剤を塗る前に、万力で固定する場所を何度も確かめる。何度も調整し、接着剤を塗った後は、迷いなく留めれるように場所決めしておくのがポイント。
そして接着剤の準備。2液混合型のコツは、同量をちゃんと混ぜる事。どちらも適当にやると接着力が低下する。きちんと計量して、やりすぎなぐらいよく混ぜる。
接着剤投入。ヘラを使ってもいいのだけど、作業用手袋を2重に使い、手で塗っていくのが早くて確実。手袋が破れないように丁寧に作業するのがポイント。
接着剤を塗ったら、事前に位置決めした位置に素早く万力を付ける。
万力で挟むと、余分な接着剤がじんわり出てくるので拭き取る。硬化した後でも、はみ出し分を削ることはできるけど、この段階でなるべく残さないようにするのがベター。
可使時間が60分なので、そのぐらい経てば大丈夫かもしれないけど、慌てるものでもないので1日放置。そして万力の取り外し開始。
拭き取り切れなかったはみ出した接着剤。雨だれのように固まっている。
丁寧に作業したつもりであるが、当て板の継ぎ目が残ったり、押さえつけきれなかった部分が盛り上がって残ってしまう。以前ショップに相談した時も「表面にはシワが残るので、そういうのは諦めるしか無いですよ」と言われた。ショップにお願いしても同様な出来上がりだと思われるし、しょうがない。
押せば撓むし、普通に乗れるのだけど、やっぱり性能に影響はあるはず。影響をあまり感じないのはパウダー板で、あまり接地しないロッカー部分だからかも。
最後の仕上げ。はみ出した接着剤をカッターで削り、平らにする。
完成。まあ表面はややボコではあるものの、踏み傷のほうがはるかに目立つし、雪がかぶればわからないので問題なし。性能、見た目とも完全に修理するのは不可能なものの、ひとまずは使える状態に。
全く惜しげなく使える最強板復活である。Bent Chetler、ここまでしても乗りたいと思えるいい板。
でもさすがにもう一回壊れたら終わりかな。
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