PBPの走り方
一回目のPBPではあるけれど「完走にこだわった行動をしたほうがいい」という事を強く思った。幸いにも完走できたが、もし完走出来なかったら、もう一度挑戦したくなると思う。ただそれは最短で4年後であり、また参加できる保証はない。そういったイベントなので、まずは完走最優先で行動するのがいいと思う。最優先での行動とは、例えばPBP前の観光等はなるべく控え、そして可能な限りの体調調整。PBP中もPCを楽しみすぎる事なく、走ることを最優先、という事だ。一度完走すれば、2回目以降はもっと幅のある楽しみ方もできるし、そのときにFっても、完走した事があれば心のゆとりが違うと思う。なので参加回数に関わらず、完走のフラグがまだなければ、それ完走必達で行動するのがいいと思う。今回自分は完走できてホント良かったと思う。
気候と景色
一言でいうと北海道っぽい。昼の暑さ、夜の寒さなど、北海道の晩夏から秋のような感じだ。朝の冷え込みはやや厳しかったものの、未知の寒さではなく、長指グローブや重ね着で十分しのげた。昼の暑さも北海道的で、日向はジリジリくるけど、日陰に入れば気にならなかった。風景も北海道に似ている。延々と信号がなく、夜は真っ暗な田舎道。ただ北海道は森とか原野な感じだけど、PBPはひたすら畑。加えてスケール感が何倍も大きく、いままで見たことがないくらいの大きな畑が続く。フランスが農業大国というを実感できる。
ルートと路面
言われている通り、ずーーーっと上り下りの連続。獲得標高でいうと10,000mを超えるので、北海道の平坦育ちは苦労するのではと警戒していた。予想通りかなり苦労した。ひたすら辛かった。ただ十分警戒し、心づもりがあったからこそ、耐え抜くことができたかも。あと道具的にエアロバーとDi2があったから、我慢できたような気もしている。
写真は日本の道だが、このような荒い路面が延々と続く
おケツへのダメージも大きかったし、今回初めて味わったのが、足裏の痺れ。手のひらの痺れはハンドルの持つ位置をかえたりして運用で低減可能であるが、足裏への振動は回避できず。またおケツのダメージを減らそうとするがあまりスタンディングとなり、さらに足裏へのダメージが追加されるという悪循環も。いや辛かった。
という事を他の参加者と話すと、28cのタイヤを使い空気圧を下げて使っているという話を聞けた。自分は25cで7kg/cm2だが、28cを5.5kg.cm2にするとか。これは転がり抵抗をどこまで許容するとかも考えなくてはいけないので、これからの課題として考えてみたい。少なくとも在庫の25cのタイヤを使い切った後は、28cのタイヤに変えてみたいと思う。
集団と単走
6000人以上の人が走るので、自分のペースと同じ人が必ずいる。そのような人や車列を見つけ積極的に利用すれば、効率よくすすめると思うし、何しろ楽しい。どこの国の人と走ることになるかもわからないが、それはそれで楽しい。知り合いや日本人同士でつるむほうが何かと安心感が高いが、ペースが合わないのに1,200kmとなると、それこそがFの原因にすらなりかねない。PBPでは単独行動して、見知らぬ異国の人と集団となるほうが楽しいし、楽だぞ。
通信環境
フランスでの通信環境はOrangeという携帯会社のプリペイドSIMを使った。無料通話付きで8Gのプラン。日本にいるうちにamazonで3,000円弱で購入。現地に着陸したら交換して使った。SIMの差し替えで利用可能という事だったが、その通りだった。ただし人によってはAPNの手動設定が必要だったり、そのためにwi-fi環境が必要だったりもしたようだ。自分はiPhoneだったせいか特にめんどくさいことはなく、普段使っていたAEONモバイルのAPNを削除するだけで使用可能になった。空港でSIMを買うこともできるが、事前に日本で買っていったほうが面倒くささが少ないのでいいと思う。もしものためにテザリングしてくれる知り合いを着陸までに確保しておくのもおすすめ。
そしてなにより大事なのが、日本にいるうちにSIM交換の練習と、自分のスマホが本当にシムフリー化されているかを確認しておくこと。もし現地でスマホが使えないと情報難民になってしまうぞ。
PCでのタイムロスを意識し過ぎ
PCではタイムロス大きく、特にレストラン行列は大変!という事前情報。それらを最小化すべく、補給食を多めに持参し、序盤はそれで凌ぐという持参作戦を実行した。アルファ米のおにぎりを主戦力に考えていた。まあ水不足リスクも回避すべく、多めに水持参。
予備水だけで1.3リットル
PCレストランは確かに時間がかかるものの、懸念したほどではなかった。これは到着時間にも大きく左右されるので、人によって印象が大きく違うはず。ただG組という早めのスタートなら、それほど警戒しなくてもよかった印象だ。むしろ逆に水やら補給食を持ちすぎた事が重量増につながり、普段より3kgぐらい重い状態。これで上りの連続は疲れる。結果作戦が裏目であった。
写真はわかめごはんだけど
逆にLOUDEACでは手持ちのアルファ米が大活躍。仮眠前に作り、起きたら食べるという作戦。レストランは混んでいたらしいので、ロスタイムは減らせたと思う。ちなみに作ったのは尾西のアルファ米のドライカレーとピラフ。カレーはホント元気になる。
現金とクレジットカード
PCでは現金が主体という情報から400€ ほど現金を準備したけど、旅程全行程で200€も使わなかった。PCでもカードが使える所が多かったが、スタッフの人がカード端末の扱いに慣れていないところも多く、むしろ時間がかかっていた印象。現金のほうがスムーズに会計はすすむかと。券種は10€札が一番使いやすい。50€札以上はいらない。またカードもなんでもOKということはなくVISAかMASTERの2択、どちらかというとMASTERのほうが強い印象。更に重要なのがICチップ入りのカードでしか支払いができなかった事。これとても重要。
Di2
続いて装備的な備忘録。ブルベのまとめの度に、毎回Di2良かったと書いている気がするが、今回もDi2でほんとに良かった。
エアロバー
今回のPBPからエアロバーが解禁となった。長さの制限などもあるが、これもあったほうがいい。下りでの慣性距離も伸びるし、向かい風にも有効だ。自分はここ2シーズンはエアロバーありきの運用をしているので、依存度が高いほうだが、それを差っ引いてもエアロバーはありだと思う。エアロバーつけるならサイコン等の補機置き場や、フロントバッグの配置にも影響があるので、前シーズンからじっくりと配置を研究したほうがいい。
SPDシューズ
PBPの準備は何から?と尋ねられたら、まずはSPDの用意と答えるかもしれない。道内ブルベならSPD-SLで全然OKだけど、PBPはとにかく歩く。PCは広いし、輪行の時も歩く。なのでその事を考えるとSPD-SLは選択肢にあらず。サドル位置等ポジションにも影響があるため、直前ではなくシーズン初め、もしくは前シーズンからとっとと代えてセットアップしたほうがいいでしょう。
タイヤ
在庫のGP4000S2でいいかと考えていたが、評判から直前にGP5000に履き替え。これが良かった。乗り心地と転がり抵抗の少なさが特にいい。おかげで下りではペダルしなくても、先行者をパスできるスピードがあった。GP5000に随分と助けられた気がする。ただ高速コーナーでの安定感とか、ターン開始時の手応えの良さとかについては、4000S2のほうがいいような気がするのはオイラだけだろうか。
防寒装備
手袋については長指秋物のグローブを準備していた。これが無かったら厳しかった。そして雨具を主たる防寒装備としていた人が多いと思われるが、自分も上半身に関しては同様。ただ下半身については裏起毛のレッグウォーマーを準備していた。雨でもレインパンツを履くとペダリングの妨げになるのでよっぽどでないとはかない。今回のPBPでは雨に当たることもなかったので、レインパンツの出番はなく、レッグウォーマーだけで対応した。たぶん結果としてコレが効果を発揮しロスを少なくしてくれたと思う。
おみやげ
私設ポイントへのお土産として、日本的な小土産を用意しておくといいという話を聞いていたので、100均にてそれっぽいポチ袋と、それに和風っぽいシールを入れて用意しておいた。これは礼を尽くす意味であってよかったし、子供たちには特に喜ばれた。この子供達とのやり取りは眠気覚ましにも効果大!
100均サンダルと体洗うタオル
LOUDEACでのシャワー用に持参した。靴を濡らすこともないし、ちゃんとゴシゴシ体を洗ったほうがリフレッシュできるのでとても良かった。どちらも100均製品なので、完走後は現地で処分して荷物減らしにも役立ってくれた。
トイレに流せるティッシュペーパー
PCのトイレではペーパーが無いという話だったので、事前に100均でトイレに流せるティっすペーパーを用意。持ち運び用もティッシュ10個セットと、濡れティッシュ10セットぐらいを用意。結果としてとても役立ったものの、そこまでの量は必要なく、DropBagのスペースを浪費しただけに終わった。あるといいけど必要な量を吟味し、使い切ったら諦めるぐらいの量で十分だったかな。
輪行箱とキャスター
自作輪行箱は概ね満足。目立つ配色だったので手荷物受取のときもわかりやすくてよかった。改良するなら長さを1cm短くし、その分幅を1cm増やすとホイールを入れやすくなったような。これは今使っているフレーム限定の話だ。ただキャスターは再考の必要あり。ベルトとキャスターはこれが評判だったので、購入した。
ベルトはちょうどいい長さで使いやすかったが、キャスターが微妙。車や飛行機に積むときには外さなくてはいけない。空港内ではカートに乗せてしまえばキャスターの必要はないので、必要になるのは空港からバスのりばなどのちょっとした区間だけ。使うのは僅かな間だけにも関わらず、脱着が案外面倒なので、結果として抱えて持ち歩いてしまった。脱着が簡単なキャスターを自作してきていた人も多かった。たぶんそれが正解。
DropBagの中身
何が必要になるかわからなかったでの、容量いっぱい詰め込んだw結果として不足となるものは無かったが、逆にごちゃごちゃしすぎて、必要なものがどこにあるか探すのが大変だった。適切な量を、わかりやすくパッキングするのが大事。
その他
耳栓使わず仮眠時に使うかと思ったけど出番なし。着実に起きるために、カナル式のイヤフォンを着用し、スマホの目覚まし時計の音を聞けるようにしてたので。カナル式なので耳栓代わりにも十分だった。
泥除け
マナー装備としてリヤだけ着用。雨に当たらなかったので出番は無かったが、そもそも着けてない自転車も半数ぐらいいたような。雨予報じゃなかったから外したのかな。
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はい、これにてオイラのPBP終了である。次のPBPを考えなくていいぐらい、今回のPBPを満喫できた。それでも前年ぐらいになるとソワソワするのかな。まずが一旦締めである。
おしまい
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