9/23、霧立400。今回雨予報だったものの、去年も雨ブルベだったので、なんとかなるだろうと出走。ただ予想以上に厳しいコンディション。自分の判断の甘さが追い打ちをかけ、今回もFってしまいそうになりつつ、からくも完走。
冷え切った体に温かい蕎麦。しみました!
DNFをなんとか思いとどまったのは、他の参加者達の元気な姿に引っ張られたのと、ほぼブルベタイトルといっていい霧立亭さんが営業時間を変えてまでオープンしてくれているという事。「Fっても、せめて霧立亭までは行きたい」という気持ちでなんとか走れたような。まあ霧立亭さんまで行ったらF困難なので、走り切るしかないのですけど^^
そんな感じの400kmブルベでした。
振り返りは特記事項から
1. 雨装備の装着判断遅れ
今回のブルベを難しくしたのは判断の甘さ。走り始めて15分ぐらいで「レイン着てもいいかも」な雨だったのだけど、行き先の空には雲の切れ間。「当別湖までは保つかも」と走り続けるも、結局着替えのタイミングを逸し、通過チェックではもうずぶ濡れ。
上半身と手先、足先がずぶ濡れだと、どんどん寒くテンションも下がっていく。いや反省。
2. 雨と寒さ
気温の測定データはこんな感じ。青が昨年(eTrex測定)、黄色が今回(iGS630測定)。1つ目の赤矢印が霧立亭、2つ目の赤矢印がPC3。測定機器も違うので参考データではあるけど、概ね内陸エリアが去年より寒く、海岸線エリアでは今年のほうが暖かかった。
ずぶ濡れ状態の内陸エリアはとにかく寒く、逆に霧立峠を超えて海に近づくにつれて、どんどん暖かくなっていくのがわかった。挙げ句海岸線では暑いと感じるぐらい。トンネルの中が心地よい涼しさで、出た瞬間の熱波で「うぉ」となる程。
序盤での激しいF思考の理由は、終盤の向かい風。予報では終盤に強い風。もしそれが冷たい風だとすると、ずぶ濡れだとホントやばい。結果論ではあるけど、終盤の向かい風は温暖。よかったよかった。天候で難易度が大きく変化するのを実感。
今回得られた知見としては、夏装備(上下短ジャージ下に薄手のロングタイツ&Tシャツ)+レインだと、14度前後ぐらいが快適。それ以下だと寒く、逆に15度以上だと暑い。
3. オケツの痛み
今シーズン、2重の尻パッド作戦が調子よい。摩周湖1000では苦労したものの、今回も2重パッド作戦を実行し、結果痛みも出たけど知見が増えた。
2重パッド作戦を実行するまで、主な痛みの原因は坐骨あたりの圧迫痛。要はサドル後ろ側の幅の広い部分と、尻タブが接する部分の痛み。これはサドルを変えたり、2重パッドにしたりして、荷重点の負荷を下げることでかなり快適になった。
尻タブの痛みがなりを潜めると、今度は股間の圧迫痛からのスリ痛。ここはエアロバーポジションをとった時に接地圧が増加する部分。エアロバーを持った時はこの部分の荷重が増えるため、当然負荷も増える。摩周湖1000が苦しかったのは、この部分の圧迫痛。加えて痛みを生じたパッドパンツは、この部分のパッド厚が大きく、圧迫痛、スレ痛とも増大。
対策として考えられるのは、サドルをもっと前下げにするとかもあるけど、トライアスロン系のショートサドルが解決策なのではと思ったり。どれ調査してみようか。
4. iGS630, だいぶ調子がよくなってきた
さっぽろ600でも悩まされた「コース外れ」問題。ファームウェアV1.4で拡大時の問題が修正されたようで、今回もあわよくば無問題を期待。結果としては無問題とはならなかったものの、摩周湖1000のような「コース外れ」頻発には遭遇せず。
ただし進み先にルートが表示されない問題に遭遇。行き先が直進なのか、右折なのか、左折なのかわからなくなる事態発生。結果的に知っているエリアだったので、ルートロスすることはなかったものの、なかなか厳しい。
次の十字路を左折するのだけどトラックが表示されておらず
進行方向がもと来た道方面になっている
上記のケースはスタート、ゴール地点近くで、序盤と終盤で同じ道を逆方向に進むケース。終盤のなのでフィニッシュポイントへのルートをナビいてほしいが、どうやらiGS630はスタート直後と判断し、逆方向へのルートを案内している模様。このようなケースの判定は100%の精度は難しいかも。
人が判別しなくては行けないケースかもしれないけど、そのためにはeTrexのように目的のトラックを全域に渡って表示してある必要がある。現在のiGS630の動作は、現在地を基準に進行先の一定区間のみ目的トラックを表示し、さらに現在地を基準にある一定区間の走行実績軌跡のみ表示する仕様。たぶん描画区間を減らすことでパフォーマンスや電池寿命を稼いでいるような気がするけど、どこを走っていいかがわからなくなるのは本末転倒。せめて目的でトラックを表示するかの設定が欲しい。
では詳細
さて霧立400のスタート地点は石狩市の青葉公園。自宅から15km。途中すきやタイムも挟むので4時半前には自宅を出発。いつものすき家で鉄の人にも遭遇したりしながら5:30には到着。
他の出走者さん達とあれこれ話しているうちに、ブリーフィングの時間。
この時すでにポツポツと。なんとなく路面に雨粒の痕や、ヘルメットに雨が当たる感触が。気づかないふりしてスタート。スタート直後は雨という程ではなかったものの、オロロンラインから当別方面に右折するあたりから普通に雨。それでも当別湖方面にはまだ雲の切れ目が見える。ならば通過チェックの当別湖までレイン装備を待ってみようかと。
という判断が今回の最大の間違い。もう基本的にはずっと雨予報なので、粘らずとっとと雨装備にすべき。結局レイン装備にするきっかけを失ったまま、ふくろう湖到着。
通過C 当別ダム管理所 34.1km, 9/23 7:24
案の定、上から下までずぶ濡れ。ウィンドブレーカーは濡れてピタピタ。シューズ周りはたっぷり水を吸ってぐちゃぐちゃである。
レインジャケットを着てなんと温かいと思ったことか。それでもまだまだ序盤、元気も十分なので、トコトコ走ってPC1到着。
PC1 セブン月形町 50.4km, 9/23 8:10
他の参加者さん達と「いやー、雨すごいですねー」なんて会話をしたけど、その時はまだ余裕があったのかも。全身濡れているので寒いこと、寒いこと。気温も昨年より低いし、なにより濡れているのが一番の要因。
テンションだだ下がりで、マイナスの思考が回りだす。前日までの予報で気になっていたのは雨と終盤の向かい風。たぶん終盤100kmは強い向かい風でナイトラン。夜に強い向かい風にさらされたら寒さは今の比ではないはず。今でも相当寒いのに、それは本格的にヤバいぞと。
途中いつもの北竜門を通過。今回は普段どおりに写真だけ撮ってスルー
さらに幌加内ぐらいまで行っちゃうと、公共交通機関でのDNFも難しくなる。うー、寒い寒い、やばいやばい、どうするどうする。もし諦めるなら次のPCかなと。こんな感じの撤退方向への思考がグルグル回りながらPC2に到着。
PC2 セイコーマート秩父別店 119.1km, 9/23 11:27
PC2にはスタッフ見守り隊。かなりF思考になっていると話すと「ここからJRの駅近いですよー」という天使とも、悪魔ともつかない、ありがたい情報。確かに少し走れば駅だし、時刻表を調べてみると、駅まで行って撤収準備が終わる頃にちょうど電車が来そうないいタイミング。これはまさに決断のときかもしれない。
ちなみに「他の参加者さんは?」と聞いてみると、F連絡は少なく、皆頑張っているとの事。さらに同時刻にPC2にいた参加者も大変そうではあるけど、元気に出発していく。
コンビニの駐車場もしっかり水たまり
どうやらずぶ濡れ効果で、自分は余計にマイナス思考に陥っていたようだ。PCで温かい食べ物にありつけたのもあり、メンタル的にちょっと復活。もしかして考えているほど酷くはないのかもと思い直す事ができた。いろいろとF思考していたけど、いったん考えるのをやめた。
このブルベのために営業時間を変更して開けておいてくれる霧立亭さんの蕎麦を食べる、というのが大きな目的なので、少なくともそこまでは頑張ろうと。まあ霧立亭さんまでいっちゃうとDNFすること自体が困難になるのはわかっていたので、まあどこかで腹も座るだろうという事で再スタートである。
PC2から霧立亭さんまでは目立った登坂はないのだけど、全般的に登り基調。加えて弱かったけど予想外の向かい風もあり、体力使ってる割に進まない。それでもその微妙な抵抗にあらがったため、体が冷え切ることもなかったのかも。そんな感じでなんとか霧立亭まで到着。
通過チェック 霧立亭 183.3km, 9/23 15:27
なんとかここまでたどり着いた!ちなみに去年は14:19に霧立亭到着。同じコースで180km走って1時間以上遅い。まあ雨や風で、今回はそんなコンディションだったという事。まずは暖まりたかったので、温かい蕎麦を注文。
温かいものをだべて一気に落ち着いた。さらには着ているものをだいぶ乾かす事ができたので装備面も復活。一番生き返ったのは、びしょ濡れの靴下から水を絞ったことで足元の快適性が格段に向上した事。生き返った。
見渡すと店内には多数のホロミングッズが。
主担当さまが車から振っていたホロミンフラッグが超魅力だったものの、これからの向かい風に空気抵抗を増やす勇気がなかった。残念、今度自転車じゃ無いときに。
身も心もだいぶ復活。ここまで来るとF思考は跡形もなく、また多少の寒い向かい風なら大丈夫であろうという思考に。ブルベとはメンタルスポーツなのだろう。
雨ですっからかんになったチェーンにオイルを追加して霧立亭を出発。霧立亭さん、今回も多大なるサポートをありがとうございました。
さて霧立亭を出ると後半戦。まずは霧立峠を超えて50km先のPC3まで。それほど厳しい登坂でもないので、とことこ登って霧立峠メイク。霧立峠は去年と同じく真っ白で何も見えず。
そしてダラダラ下ってPC3。霧立峠からは去年とは違い、遅い時間帯だったので真っ暗で何も見えず。景色がわからんぞ。視界はなかったのだけど、海に近づくに従い気温がどんどん上がっていき、雨がどんどん小降りになっていく。内陸と沿岸で全然過酷さが違ったのが面白い。
PC3 セイコーマート古丹別店 233.0km, 9/23 18:45
海岸線の暖かさから、凍える心配は無さそうだと一安心。
海岸線にでてからは雨もほとんど無く、240km程続いた雨も一段落。時折遭遇する雨雲で本格的な雨となる事もあるけど基本降っていない。さらには向かい風を覚悟していたのだけど、気持ち追い風気味か、横風。ペースを妨げるような向かい風もなく。そんな感じで海岸線をサクサク進み、最後の補給ポイントの増毛町のセブンに到着。
セブン増毛町店 292.1km 22:19
ここはPCでも通過Cでもないけど、ここからはじまる100kmの無コンビニ区間にそなえ、皆休憩と補給のため立ち寄っている。雨も降ってないので、広々とみなくつろぐ。自分も補給と、最後のチェーン注油を行い再スタート。
ここから長いトンネルラッシュ区間。昨年ソロで走ったときはその雰囲気が怖くて仕方なったので、今回は対策としてライトを3つ装着。幸運にも今回は同走者もいたのでビビることもなく突破。ありがたい。
ただ眠くてしょうがない。トンネル内の冷気でも、同走者と話しても眠気が消えることがない。これはいっその事寝たほうがいいと思い。摩周湖1000でゲットしたアビリティを発動。
キョロキョロしながら走っていると浜益あたりに素晴らしい物件発見。鉄筋コンクリート、トイレ、ゴミ箱、自動点灯の照明ありと素晴らしい帝国ホテル発見。ここにて1時間程仮眠。きれいに手入れされていてとても快適でした。
寝れた事でだいぶスッキリしたものの、完全に眠気がなくなることはなかった。ただ意識が飛ぶこともなくなり、ヨロヨロしながらも進路を確認しながら走れるようになった。
オロロンラインは浜益でいったん内陸に入るのだけど、そこには霧立峠より登りごたえがある名もないピークが。ほぼ海抜0mから登るのでこの部分の獲得標高は、霧立亭からの霧立峠よりあるのでは。ここでちょっとだけ押し歩きしたのは、眠気冷ましを兼ねた気分転換という事で。
ピークハントした後は再び海岸線に。そして海岸線に出た途端、強烈な向かい風で眠気が吹き飛んだ。下りでも全然スピードが出ないし、上りでは押し返される。予報通りの超向かい風。厳しい。ただ厳しい風ではあるものの、風自体は暖かい。もしずぶ濡れでの状態で、この風が冷たからった、やはりヤバかったかもしれない。
それでも石狩平野で鍛えられた向かい風耐性のおかげで絶望感はない。エアロバー持って、体を小さくして、地道に風をいなしながら進む。地味ではあるが、向かい風にはそれしかない。そんな走りをしながら、なんとか最後の通過チェックに到着。
通過チェック 五の沢ふれあい研修センター 381.5km, 9/24 5:17
スタートから23時間以上経過し、空も白白と明け始めた。このブルベ期間中に2回めの夜明けである。
ここまでくれば勝手知ったる道である。まだまだ向かい風とのバトルは続くも、最終最後の石狩新港付近のグルグルをこなし、ゴール。
フィニッシュ セイコーマート新港西1丁目 404.2km、9/24 6:38
ゴールした頃には寒さで震えていた事などすっかり昔話。喉元すぎればすべて忘れてしまうのがブルベというものか。とはいえ今回も完走できてよかった。やはり400kmは大変だけど、一番試されるブルベでもあるので、充実感もひとしお。シーズンに1回ぐらいは走らないとね。そういえば来シーズンの記念ブルベは400kmなのかな?
主催者の皆様、スタッフの皆様、一緒に走ってくれた皆様ありがとうございました。
次回は石狩200の予定です。エントリー数が100人超えだとか。すごいね。
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