2024年3月21日木曜日

パラフィン系リキッドワックス導入

ここ数年良く聞かれるようになったパラフィン系リキッドワックス。使ってみた。購入したのはHAYASHI WAXのNF-02とNF-03。

NF-02は-2°から-8°という主戦場たる温度帯、NF-03は-8°から-32°という極寒帯。NF-02の温度帯はトップシーズン中、一番多く活躍するレンジのもの

液体ワックス自体は昔から興味はあったものの、性能的に疑っていたので遠巻きに見ていた感じ。今回は、ちょっとしたきっかけで購入する機会があり、性能的なところを含めて検証してみた。

結果としては、滑走性能に関しては素晴らしいけど、耐久性は低い。シーズン中のホットワックスを置き換えできるものではないけど、トップワックス的に使う感じで使い所がある。という感じで。

以下詳細なり。

ちなみに普段使っているのはガリウム。シーズン中メインで使うのはBLUE。

こだわってガリウムにしていたというより、温度帯の設定がちょうどいいのと、なにより価格が安いという事。500gのパッケージを4,000円ぐらいで入手できるので、気兼ねなく使う事ができる。滑走性能については特筆する感じではなく、過去に使ったBrikoとかTOKOのほうが良かった記憶。まあ今の自分の滑りでは、いいワックスを使う必要性はなく、コスパ優先である。


さて諸々の検証結果である。

コスパ


k2の244に塗布。ソール面積が小さい板なので、1セットで約2gぐらいの使用。ボトル単体の重さは不明も、一本で40回ぐらいは使えるのでは。同じく244にガリウムBLUEを塗布。こちらは一回の利用で約8gの使用。500gのパッケージだとおおよそ60回。

単価で考えるとHAYASHIリキッドなら¥3,520/40で88円。
ガリウムHOTのBLUEなら、¥4,000/60で66円。

この数字だけみるとリキッドはHOTより高くなるけど、これはガリウムHOTが安すぎるから。HAYASHIのHOTなら180gで¥3,300。ガリウムと同じ消費量と仮定すれば、¥3,300/(180/8)で1回あたり147円となる。この値段をどう解釈するか?


作業性

ワックスの施工自体はとても楽。塗る作業は1本あたり1分から2分ぐらい。乾燥後の仕上げ作業も3分ぐらい。ワックスを剥がす作業がないので、圧倒的に楽だし、ゴミがほとんどでないのが素晴らしい。作業性だけ考えるとホットワックスとは比較にならず。

正直、ホットワックスは塗布したワックスのほとんどを剥がして捨てることになるし、そのために多大な労力が必要とされる。端的に言っていまうと無駄が多い作業。これがなくなるというのはほんと偉大。

仕上がりの印象は、コーティング膜が表面に作られる感じ。ペーストやスプレーと似ている仕上がりだが、圧倒的に硬い様に見える。


滑走性

これは問題なし。よく滑る。HAYASHI WAXいいねと思うと同時に、以前使っていたBrikoやTOKOの滑りを思い出す。そうそう初めてガリウムを使った時「あれ?」と思ったのを思い出した。HAYASHIがいいというより、ガリウムがアレなのかも。いずれにせよHAYASHIの滑走性は問題なし!


持続性

たぶん一番気になっているのはこの性能。スプレーワックス、ペーストワックスなどは滑り出しが良くても、すぐに滑らなくなる印象。

HAYASHIのリキッドは数本で滑らなくなることはないものの、半日ぐらい使うと、出だしの滑走感がなくなるような。続けて2日間追加塗布なしで使ったが、似たようなコンディションで、似たような滑走感。ワックス直後のみ滑走感が高かったのは、やはり塗布直後の滑走性能がよく、持続性が落ち滑走性能が落ちたと考えるのが自然。

基本、きっちりとホットワックスでベースを作った板なので、滑走性が低くなった後の安定した滑走感の部分は、リキッドの性能というよりベースの性能かも。先入観があるのは否めないけど、ホットワックスのように数日間も継続してくれるような安心感はなく、まあ1日ぐらいかな、という印象。

ここまでの感想はシンタードベースの板の話。エクスクルードだと話は変わってくる。

エントリーモデルに使われるエクスクルードのソール材は、空隙率が低くワックスが染み込みにくいと言われている。実際ホットワックスしても、あまり染み込んでいる感じない。どうせ染み込まないのであれば、スプレーなどより耐久性があるリキッドのメリットが大きくなるのではと。という事で、子供の板で試してみた。

1日あたり4時間、8日間ほどスキースクールで使った娘さんの板。雪質がいい時期だったとはいえ、ほぼ1ヶ月使ってエッジ付近も白けていないのは悪くないのでは。予想以上にいい。ホットワックスかけても達成感が薄い板だったので、今後子供用のワックスはリキッド一択になりそう。


今のところの結論

まず言えるのは、子供用というかエクスクルードのソール材の板には第一選択肢。そしてシンタードの板については、基本はホットワックス運用で、補助的にリキッド。

1回あたりのコストでは、リキッドはガリウムのHOTに比べるとやや高くはなるものの、その差は大ききくない。ワックス自体のコストより、ホットワックスにかかる時間や手間を大幅に削減できるので、その作業コスト削減の効果が絶大。ただし耐久性はイマイチで、やはり毎回の塗布が必要な印象。回数が増えるので必然的にコストも作業時間も増える。ということでシーズン通してのトータルで考えるなら、手間もコストもさして変わらない。

ホットワックスする時間があるなら、安心感も含めてホットワックス運用しておき、しばらくホット入れてないけど、明日の山では絶対滑ってほしいという時には前日にリキッド、というような運用がよいのでは。


今回リキッド使ってみて、その良さにも気づいたけど、古来からの方法が駆逐されていないのも理由があるのがわかった。やはり道具なので、その特性をうまく利用した運用が必要ですな。


0 件のコメント:

コメントを投稿